Soil非営利スタートアップを支援するインキュベーター・アクセラレーター |

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非営利の社会課題解決にテクノロジーを活かす 副業から始めた先駆者が苦労したことは

2023.02.28

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Soilは分野や地域にこだわらず非営利スタートアップを支援しますが、重視している点の一つがテクノロジーです。営利スタートアップが得意とするテクノロジーを効果的な社会課題解決にどう活かすか。先駆者であるコード・フォー・ジャパン代表理事の関治之さんとみんなのコード代表理事の利根川裕太さんに聞きました。

関 治之(せき はるゆき) 一般社団法人 コード・フォー・ジャパン 代表理事
1975年生まれ。20歳よりSEとしてシステム開発に従事。2011年3月、東日本大震災発生のわずか4時間後に震災情報収集サイト「sinsai.info」を立ち上げる。被災地での情報ボランティア活動をきっかけに、住民コミュニティとテクノロジーの力で地域課題を解決する「シビックテック」の可能性を感じ、2013年10月に一般社団法人コード・フォー・ジャパンを設立、代表理事を務める。
利根川 裕太(とねがわ ゆうた) 特定非営利活動法人みんなのコード 代表理事
2009年 ラクスル株式会社立ち上げから参画し、プログラミングを学び始める。2015年 一般社団法人みんなのコード設立 (2017年よりNPO法人化)し、全国の学校でのプログラミング教育の普及を推進。2016年 文部科学省「小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議」委員、 2018年 内閣官房「教育再生実行会議技術革新ワーキンググループ」委員。2021年経済産業省「デジタル関連部活支援の在り方に関する検討会」委員。二児の父 (10歳, 7歳)。

テック・ベンチャーと非営利・ソーシャルのパイプを太くする

久田:お二人はテクノロジーを中心において、ソーシャルな団体を運営しています。非営利スタートアップのインキュベーター/アクセラレーターというSoilの取り組み、どういう印象を持っていますか?

利根川:Soilのみなさんとは、まだリアルで1回、オンラインで2~3回しか会ってませんが、久田さんとは同世代でもあるので、同じことをやりたい仲間だと思っています。私自身両方の経験があるので、テック・ベンチャーのセクターと、非営利・ソーシャルセクターがもっとつながるといいなと思っていました。そこを久田さんはやろうとしている。Soilの取り組みは、課題解決力あるテック・ベンチャーと、課題に満ち溢れていて解決しきれていない非営利・ソーシャルセクターとのパイプが太くなるいい動きだと思います。

:立ち上げの際の資金援助は非常に重要ですね。自分自身、元々スタートアップで働いていました。その会社がヤフーに買収された後、東日本大震災をきっかけにコード・フォー・ジャパンという活動を始めた。非営利団体として最初に直面したのが資金問題。ヤフー基金から700万円くらい助成いただいたので色々できたけれど、それがなかったらやれることは少なかった。その経験から、立ち上げ期の資金の重要性を痛感しています。

エグジットがあるような会社でも資金は集まりにくい

:それと、ある程度ビジネスモデルが固まってきた段階でも、お金の調達は難しいです。スタートアップの多くは、マーケットを広げて人も本格的に必要になってくる段階において、お金の出し手が少ない。非営利団体でなくても自治体向けのサービスをやっているところはそう。そこを支援するSoilが出てきたことは素晴らしい。いろんなスタートアップや、エグジットしてエンジェルをやりたい人に対して、こういう領域もあるという認識を広げ、成功事例がいっぱい出てくると嬉しいです。

久田:当初の700万円は、どういうきっかけで得られたんですか?

:ヤフーで働いていたので、ヤフー基金の存在は知っていました。我々みたいにテクノロジー×社会課題をする団体は、ドンピシャなんじゃないかということで応募しました。

久田:誰でも、後ろ盾とかこれまでの繋がりがない人でも挑戦できる仕組みを作りたいです。我々はまず創業期にフォーカスしようとしています。非営利でもサステイナブルにやっていくにはある程度資金を入れないといけない。関さんの指摘は、エグジットがあるような会社でも資金が集まらないということなんですね。

:そうですね。実際にソーシャルスタートアップを手伝う中で、資金を提供してくれそうな方々に会っても「自治体向けは難しい」などと言われ敬遠されます。軌道に乗るまで時間がかかることが多いので。

取り組んでいる人にビジネス経験がない

:確かに創業期は資金が必要です。でも、お金をちゃんと使うのも、経験がなければ難しい。そういう実践の部分もサポートすることは考えてますか?

久田:やりたいと考えていますが、うまくいくのは2パターンだと思っています。一つは実績・実行力があり、やりきれる方々。最初に支援したのはデジタル・ジャーナリスト育成機構(D-JEDI)という団体です。代表の浜田敬子さんら著名なジャーナリストが、取材や情報発信のノウハウ提供やネットワーキングを非営利でやる。理事メンバーは新聞社やNHKで経験を積み、その後はネットメディアで活動し、メディアの立ち上げ経験もある人達です。シリアル・アントレプレナー的な感じで、うまくいくと思っています。

もう一つは、自ら学習する能力が高い方。営利のスタートアップでもそうですが、手取り足取りやらないといけない人は、そうしてやったとしてもうまくいかないんじゃないか。ここはシビアな目線を持っています。

学習力が高い方にとって必要なのはメンタリングだと思います。この領域であれば、この起業家に聞いた方がいい、みたいに人を紹介する。コミュニティ作りにも取り組みたいです。ソーシャルセクターの方々と話してよく聞くのは、意外に横の繋がりが弱いということ。開発や採用や営業などは、営利も非営利も共通。だから、ネットワークとコミュニティで改善できることは多いと思います。

:提供するコストの観点から、効率よく使って回せる人に入口を絞るのは大事ですね。特に初期は成功事例を出さないといけないので納得がいきます。非営利で難しいところは、課題解決をサポートしたいと思うけれど、取り組んでいる人にビジネス経験がなく、ずっと現場で頑張ってきたというケース。そういうときにどうするかは考えたい所ですが、一方で何でもできる訳ではないから、フォーカスした方がいい面もあります。

受益者と負担者が違う非営利

利根川:前提として、非営利の方が難しいと思います。受益者と負担者とが違う。負担者が納得する形で、どうやって継続的にできるのか。最初は外部のお金でスタートしたとして、それをどうサステイナブルに、あるいはグロースさせていくのか。

とある予算規模数十億円の認定NPO法人の経営者の方は、非営利の運営は、10倍の規模の営利企業を運営するぐらい難しいと言っています。つまり、10億円規模のNPOの運営は、100億円規模の企業の運営ぐらい難しいということ。

関:受益者と負担者とが違う、という話はすごくよくわかります。

利根川:それと、経験者か未経験からでも走れそうな人から支援を出していくというのは納得感があります。また、既存のNPO出身者が、新たなNPOを始める時は解決したい課題やノウハウがあるが資金がないという状態になりがちなので、Soilのような資金援助があるのはバリューがあります。

ところで、1周目の人で学習力や筋がいいということはどう見極めますか?

久田:採用と一緒だと思っています。課題に深く入り、解像度をあげることなど、ポイントは複数ありますね。なんとなく感じるところもあります。やり切れるかどうかとか。

利根川:最後はそれですね。表面的に社会課題に向き合う人は多いけれど、構造的に、抽象化して捉えられる人はなかなかいないと感じています。そこにお金を出せるとよいですね。

久田:支援先を選ぶ基準として、ソーシャルインパクトを測るとか、方向性を決めることの重要性を指摘する人は多いです。営利の場合は、売上利益、企業価値、社員規模などはわかりやすい指標ですね。ミッション・ビジョンは当然あって、それに対してどれくらいやれているかのマネジメントが必要です。

非営利の場合、わかりやすい指標を目指しているわけではないから、ソーシャルインパクトやその方向性で何を目指しているかが、営利における売上利益や企業価値の指標と同じくらい重要なんだと思います。

コード・フォー・ジャパンもみんなのコードも副業から

久田:もう一つ、Soilとしてやりたいのは、副業としての非営利スタートアップを浸透させることです。自分の収益をあげるために副業をするのではなくて、副業で非営利活動をするのはこれから流行る気がする。20~30代の人で仕事の成果は上がったけれど、もっと社会と接点を持ちたいという人はいると思う。そういう人がこの業界に入ってくるといい。

関:僕自身も副業でコード・フォー・ジャパンを始めました。いきなり儲かるような事業ではないことはわかっていたので、できることから始めた。今ではコード・フォー・ジャパンの収益構造もしっかりしており、理事報酬もいただいています。領域によっては相乗効果も働くし、経験者としてはおすすめします。

久田:そういう流れを広げるために大切なのは、非営利での活動は楽しい、やりがいがあると知ってもらうこと。こんなに意義があって、まだまだやるべきことがたくさんあって、もっとこうやったらできるんじゃないか、という領域は楽しい。

Soilだけでなく、起業家が非営利に資産を出し、事業支援していくことがモデル化すればいいと思う。影響力が大きい資金提供者も出てくるだろうから、そういう資金インフラがあるんだと多くの人が気づいて広がる。いつのまにか世の中の起業家がみんな、非営利の話をしだすという連鎖をつくる火付け役になりたいです。

利根川:私もみんなのコードを副業から始めました。週末に副業の私とプロボノのメンバーで、ワークショップを半年から1年続けました。最初50万円ぐらいの収益が入ったことで優秀なインターン生を入れることができました。また、5人ぐらいになったタイミングで副業のメンバーを雇い、その後フルタイムのメンバーを採用しました。副業で立ち上げるのもいいけれど、最初はプロボノで手伝う形もあると、やってみたいという人は増えていきます。副業・プロボノといろんな関わり方があっていいと思います。

ただ、逆に今、みんなのコードでプロボノしますといっても、フルタイムメンバーが中心なのでペースが合わなくなりがち。プロボノはコミュニティベースの段階だとバリューが出ます。一人目は副業、残りはプロボノでもうまくいく可能性はあると思いますが、関さんはどう思います?

関:私のときはコミュニティがベースでしたね。コード・フォー・ジャパンを立ち上げる前に、ハック・フォー・ジャパンという団体がもともとありました。当時Googleにいた及川卓也さんや、ヤフーなどのIT企業の有志と東日本大震災の被災地に行き、最初はボランティアグループとしての活動でした。

その中でいろんな自治体の話を聞くと、片手間でボランタリーに関わるのではなく、もっと組織的なアプローチをしないと課題が解決しないという状況に直面しました。ちゃんとした組織を作って腰を据えてやろうと思ったときに、アメリカでエンジニアが社会課題の解決に協力するNPO「コード・フォー・アメリカ」の活動を知って、日本版をやろうと思いました。最初は皆がほぼプロボノ。テクノロジーを活用した被災地支援ワークショップなどをやる中で、福島県の浪江町からタブレット端末のアプリを作りたいという依頼がきて、お金も入るようになった。フルタイムを雇ったのは3年以上経ってからです。

最初はプロボノから? 苦労話を次世代に引き継がない

利根川:私が副業から本業に切り替えたのは、2016年に学校教育でのプログラミング必修の流れの中です。「需要がある。大きくしよう。でも本業にするのは不安がある」みたいな段階で、お金の支援があるのは大きいですね。

:僕らの場合はプロダクトがあって売っていく感じではなく、最初は手探りでした。復興支援などでやる価値があると思うことを、お金をもらわなくてもいいからやらせてくれと言っていた。結果として、これは価値があるので予算化しましたという流れ。少しずつお金が増えて人が雇えるようになった。本業があり、無報酬でも生き延びられる状況があったから、3年くらいお金が回らなくてもなんとかできた。営利のスタートアップみたいに半年で成果を出すみたいな形だと無理だったと思う。

久田:プロボノじゃないと、始められなかったということですね。Soilも元々プロボノで始まり、営利ほど高くはないけれど、お金を支払うようになりました。そのおかげで、優秀な人が長期的に関わるようになれた。それは一定の財源があったからです。非営利の間口を広げるには、最初はプロボノじゃないと難しいでしょうか?

関:最初から払えるお金があるなら、雇った方がいい。ただ、ビジネスモデルが固まっていない段階だと難しい。フェーズの問題でもあります。

利根川:昔の苦労話を次の世代に引き継がない方がいいかなと思います。コード・フォー・ジャパンもみんなのコードもプロボノだったんだから、次の団体も最初はプロボノで2年コツコツやるべきだと言うのは「老害」的です。逆にそうじゃない形だったら、もっと早く成長できたかもしれないし、プロボノだったから芽が出なかった団体もあるでしょう。

本質は「需要があるか。効果があると評価され、検証できるか」です。ソーシャルインパクトがあるというと大袈裟かもしれないけれど、少なくとも、ステークホルダーから感謝されることが大事だと、私は思います。ビジネスで成功した経験があるからできるだろうみたいに謙虚さを忘れるとうまくいかないかもしれません。

突然お金が入ってくる難しさもある

久田:需要や評価、ビジネスモデルなど参考になります。難易度が営利の10倍という視点はなかった。1000万円の支援で3年持つなら、その期間で頑張って欲しいと思ってしまう。

関:例えば、Googleは「インパクト・チャレンジ」というプログラムで、数千万円、数億円単位で様々な団体や組織を支援してきました。ですが、うまく使い切れる団体ばかりではありません。お金だけあればなんとかなるわけではありません。

久田:資金がありすぎて揉めたケースもあると聞きました。

関:使う方がいっぱいいっぱいになってしまう。

利根川:継続性のない大きなお金が、突然来ることの難しさはありますね。

久田:その問題を解決するためには、メンタリングなのかコミュニティでの人の繋がりなのか。どういう方法が良いと思いますか?資金インフラを強化する本質的な目的の一つが、そういう風に人を呼び込んでくることだと思っています。

:そういう問題を経験した人にも聞きましたが、メンタリングは価値があると思います。弁護士とかアドミン機能とか、そういうサポートも初期にはありがたい。

利根川:次の段階が形になっていくことが大事です。Soilから1000万円入った時に、事業モデルや財務モデルがこういう方向にいくべきだよね、みたいなのがある程度パターン化されているとわかりやすいです。その段階が、エンジェル、シード、シリーズ…という風に営利スタートアップと同じように見えてくると良いですね。

久田:誰がどの部分をサポートするかがシステム化されているみたいなイメージですか?

利根川:そうですね。3段階目には誰々がいて、4段階目には○○財団がいて、みたいな。

関:成長モデルと各ステージについては、もっと研究が進むといいですね。自治体が顧客になるモデルの場合は、自治体と繋がれるかが大事です。自治体の予算がどう決まるか、予算取りのスケジュールとか、そういう基本を教えたい。

久田:立ち上げ期に関して支援をしてくれるキーパーソンはいるんでしょうか。

関:コード・フォー・ジャパンを立ち上げるときには、そういう人とは出会いませんでした。先輩NPOに相談したり、もともとNPOをやっていた人を雇ったり、社会起業家向けのワークショップに参加したり。あとは地域ごとに詳しい人とパートナーシップを結んで少しずつ学びました。

久田:営利のスタートアップにあるエコシステムに似たものが、非営利側でもできると思っています。非営利の世界にも、スタートアップコンサルみたいな人がいるかと思ったらあまりみかけない。

コミュニティを広げ、人をつなぐ

利根川:非営利のコミュニティが小さい気がします。私は先輩経営者に深い話は聞かずに何年かやってきて、先日ようやくうちより事業規模が大きいLearning for Allさん、D×Pさんの代表3人で勉強会をしました。近いフェーズですが、各団体の得手不得手がありすごく勉強になりました。N数が少なすぎるから、分析して共有するみたいにはなっていないです。

関:PEPなどコミュニティはあるにはあります。自分も参加したことはある。イベントもあるし、具体的にやってきた人たちの実例が語られたので役に立ちました。ただ、常に動いているというよりはたまに会う感じのコミュニティです。

久田:先陣を切ってるソーシャルスタートアップの人たちとの繋がりを作るのがいいかなと思いました。Soilで志高いメンタリングチームを作ったり、営利系の起業家チームを作っても限界がある。お二人のような方とお話できる機会を作るのがいいですね。それに、ICCのようなカンファレンスを作るのがコミュニティにとっていいのかなと思いました。

:非営利の楽しさを営利スタートアップ系の人たちにもカンファレンスで感じてもらって、参加したい、手伝いたいと思ってもらうと価値がありますね。

久田:ソーシャル側の人が集まる場もそうだし、それこそB-dashとかIVSとかに相談してみるのも良さそう。

利根川:同じ日の同じホテルで別々にやっても、どうせ夜一緒に飲みにいったりするだろうし、交流が生まれますよね。

関:特に若い層に響きそう。お金稼ぎが中心じゃない若者も増えてきたと思うので。

久田:これは検討していきたいです。どうやったら盛り上がっていけますかね。

利根川:そういう場があれば、関さんと私が登壇してディスカッションして、その後、飲んで語りたい。

関:Susanooというプログラムを昔ETICさんがやっていて、第1期生として参加させていただいてとても良かったです。数ヶ月の期間があって、先輩起業家の話を聞いたり、スタートアップのハンズオンみたいなのがあって最後に発表したりする。メンバーが良かった。第1期生の間で学び合い、今でも仲がいい。ある程度集中したプログラムを一緒に受けるのは有益だと思います。

久田:イメージが湧いてきました。オフラインでやりたいですね。ただ営利系のイベントと違って、参加者から参加費を取りにくい。

利根川:オフラインがいいですね。お金は寄付したい方からいただけないでしょうか。

久田:起業家が抱えているお金を出してほしいなと思います。やるべきことに対する必要な資金の手当をし、そういう支援を流行らせたい。

利根川:いきなり科学化・理論化・体系化の前に、対談イベントやカンファレンスでいろんな話がされる中で、こういう感じだよねみたいなことをメディアが書いてくれると、流れがわかってきて、徐々に体系化される気がします。

久田:最初は月一勉強会みたいな感じでもいい。ちゃんとしたゲストを毎回呼んでみたいな。

「ともに考え、ともに作る」

久田:最後に二人から、Soilの今後の活動について何か言葉をいただけると嬉しいです。

利根川:私個人としても、久田さんが始める社会を良くする取り組みに何かしらの形で協力したいです。どういうことに取り組むかを一緒にブレストするのもそうだし、実行するのもそう。この取り組みから出てくるNPOが成長していくのも応援していきたいです。

そして、みんなのコードも社会起業家を生み出すNPOになろうと思っています。みんなのコードの中か、新規事業か、どっちでもいい。ビジネスセクターだけでは解決できない課題がいっぱいあり、ソーシャルセクターが担うべき役割は大きい。みんなのコードは自分達の既存事業だけでなく、隣接するところを中心にやりたいと思っていました。志を同じくする仲間としてSoilとともにありたいと思っています。

関:この1時間の議論はあっという間でした。NPOの経営について話すとか、非営利のエコシステムについて掘り下げて理解するのは、私自身にとっても棚卸しになるので、お手伝いしたいです。

コード・フォー・ジャパンは「ともに考え、ともに作る」というビジョンを掲げています。重要なのは、社会課題は既存の枠組みから生まれる部分もあるということ。新しいサービスを作ったからといって変わらない領域もある。多くの社会課題は既存の縦割り構造によって生まれます。それを壊すには既存の人たちにも働きかけないといけない。対話の場も作らないといけない。資金面はとても大切ですが、それ以外でもご一緒したいと思います。

久田:お二人の話を聞いていると、プレーヤー側でやりたいと思ってしまいます(笑)。

利根川:支援者を増やすというプレーヤーなのではないですか。

久田:そうですね。そう思ってやっています。でも支援とかいっているなら自分でやれよ、とも思ってしまう(笑)。Soilでは、支援の側で頑張っていきたいです。

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